No.: 100
Location: 和歌山県串本町 イスズミ礁
Condition:
Date:
1994/07/31 (Sun)
Activity:
NAUI AI コース & NAUI ADVANCED SCUBA DIVER アシスト
 海況: おだやか
 波: 0m 流れ: なし
Temperature
Visibility
Bar.
Depth
Time
Instructor (or Dive Leader) Signature:
Air
Surf.
Btm.
Tank
Start
End
SAC
Ave.
Max.
Start
End
Btm.
Total
Diving Spot Triton
32
 
27
 
 
15
10
190
70
12.92
11.6
17.1
13:12
13:55
00:43
:
NAUI #9943 M.S.
BSAC 00-0187C T.N.
m
m
m
bar
bar
ℓ/(barxmin)
m
m
 
 
 
 
 

   

  :  

EAN : %
PO2 :
MOD :
ERD :

   

  :  

Used Diving Computer

PD     

PD+     

(a)MDT     

(a)MDT     

D       

STOP
ANT
ADT
TNT
Name Age Gender Bar. Note
Start End
T さん アドバンス受講中。
M さん female アドバンス受講中。ショップ常連さん。今回スキップ。
F さん female アドバンス受講中。ショップ常連さん。
S さん アドバンス受講中。
H さん female アドバンス受講中。ショップ常連さん。
 
 
 
 
 
 

Notes:

この日、2 本目のダイビング。アドバンスの講習ではあるのだけれど、アドバンスでやらないといけない海洋は、午前中のササの根で終えているので、実質的にファンダイビング。イスズミ礁でのんびりダイビング。

早めの昼食の後に、オレンジハウスで簡単なブリーフィング。今回参加する全ゲストが潜り慣れてるポイントでもあるので、手短に済ます。

ボートの時間が近づいてきたので、車に機材を詰め込んで袋港に向かう。

だけど袋港で問題が勃発する。

今日 1 本目のササの根を問題なく潜っていたと思っていた M さんが車から出てきてない。そのことに気がついたのが、ボートに機材とタンクを積み込んでいるときだった。

どうしたのかな?と思って車にもどる。

M さんは、車の後部座席に座って、1 人泣いていた。

どうしたらいいのか、どう声をかけたらいいのかわからなかった。ただわかったのは、声をかけるのは男のぼくより、女性のチーフが声をかけたほうがいいということだった。

ぼくはチーフのところに行って「M さんが車のなかで泣いてるので、話を聞いて上げて」と頼んだ。

「なんで!?」とチーフがぼくと交代で車にすっとんでいって、しばらくしてもどってきた。

「そんな素振りはぜんぜんなかったけど、(ササの根が) すごく怖かったって」とチーフ。

その話を聞いた途端、胸がギュッと締め付けられるような気がした。ぜんぜんわかってあげれてなかった。普通に潜っているように見えていたので、M さんがそんなに怖かったなんて、ぜんぜん気づいてあげれてなかった。

ササの根は下まで降りると水深は -30m に達する。少し移動すると更に深い場所もある。下にいると、怖いからと言って気軽に水面に戻れる深さではない。怖いのにずっと我慢して誰にもそれを知らせずに潜ってたんだ。ぼくはアシスタントとしてと言うことではなく、同じダイバーとしてそのことに気づいてあげれないといけなかった。ぼくはみんなを見てるようで、なにも見ていなかったのだ。

よくよく考えたら 1 本目が終えてからも、いつも笑顔が絶えない M さんに笑顔がなかった。彼女も船に弱いので、船酔いで気分が優れないのかも、と安易に考えていた。そんな馬鹿な自分を悔いた。結局、その日、M さんは 2 本目のイスズミ礁のような易しいポイントでのボートダイビングをスキップすることになってしまった。


ぼくたちのせいだ。


このときのことを思い出すと、今でも胸がギュッとなってしまう。救いは、彼女がこれまで通り、ぼくたちのダイビング・ツアーに参加してくれて、ササの根だけでなく、その他の外洋ポイントにも一緒に潜れるようになったことだ。