No.: 50
Location: 福井県越前町 軍艦岩
Condition:
Date:
Activity:
1992/08/08 (Sat)
Temperature
Visibility
Bar.
Depth
Time
Instructor (or Dive Leader) Signature:
Air
Surf.
Btm.
Tank
Start
End
RMV
Ave.
Max.
Start
End
Btm.
Total
 
 
 
 
 
 
12
150
50
20.98
16.0
22.0
10:38
11:00
00:22
24:49
小野寺くん (仮名)
m
m
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bar
bar
ℓ/bar
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10:38

EAN : %
PO2 :
MOD :
ERD :

11:00

PD -22m

PD+ -27m

(a)MDT 30

(a)MDT 25

D 22

STOP
RNT 00
ADT 22
TNT 22
Name Age Gender Bar. Note
Start End
小野寺くん (仮名) mail
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Notes:

東京の長期出張から大阪に戻ってからの最初のダイビング。久しぶりにぼくのバディの小野寺くん (仮名) とスケジュールが合って、やっと彼と越前行きが実現することに。

もちろんかねてから軍艦岩に彼を連れて来たいと思っていたこともあり、1 本目は予定通り軍艦岩をチョイス。越前ダイビングサービス (もしかすると当時からあったかもしれない越前マリンサービス) で二人のタンクを借りて 10 分ほど車で引き返す。軍艦岩のエントリーポイントの前に、道路を挟んで小さな駐車場がある。そこに車を止めてセッティングを行う。

軍艦岩は越前では割と人気があるダイビングポイントだという認識だけれども、この日はまだゴールデンウィーク中ということもあって、越前を訪れるダイバーは少なく、駐車場はぼくたちの車しかなかった。

機材を身に着けてバディチェックを終え、道路を渡って、道路脇の階段を降りて岩がゴロゴロしているビーチに降りてエントリーする。小野寺くんは耳抜きがしにくい体質だということもあって、彼があまり耳抜きで苦労することがないように -2m あるかどうかという浅い水深からさっさと潜降する。深めの水深でフリー潜降なんて、普通耳抜きで苦労しない体質の人でも苦労する。なので耳抜きがしにくい体質の小野寺くんのようなバディが一緒のときは、背が立ちそうな水深から潜降してしまうのがセオリー。

小野寺くんが耳抜きができているか確認しながら軍艦岩へと向かう。

やはり小野寺くんは耳抜きに苦労していて困っている様子だったので、スレートにあまり水深を取らずに無理せず行こう、と書いて筆談で彼に言う。

軍艦岩に向かう途中の岩礁に魚網が引っかかって上の方に漂っていたので、なるべく近づかないようにコースを取るのだけれど、小野寺くんが脚をその魚網にひかけてしまい絡まってしまう。彼がパニックになるってことはまったくなくて、落ち着いて脚に絡まった網を外そうとしている。でも見てると苦労してるようなので、彼に寄って行ってぼくが絡まった網を外す。

魚網だし切っていい網なのかわからない。もし海老などを採るために入れている網だったりした場合、潜っているダイバーが勝手に切ったりすると大問題になる。漁のために入れている網をダイバーが切ったら、恐らくダイバーはその海にもう入れてもらえなくなる。なので切らずに解いて外す。もしどうしても切らないと危ない、つまり死亡事故になりそうなら切らざるを得ないが、その場合は絶対に漁協にどこのどの辺りに合ったあった網をやむなく切ったことを知らせて、お詫びにいかなければならない。それくらい漁協や漁師さんに気を使って潜る必要が、今でも日本にはある。

海は誰のものでもないということを言い放つ何も分かってないやつはたしかにいる。たしかに正論ではあるかもしれない。だけど日本では海で生活の糧を得ている人の言葉のほうが当たり前だけど優先される。それはやはり海から生活の糧を得るってことは、天候や海の状態に大きく左右されるので、生活基盤そのものが不安定なものだからということになる。

漁業というものが単純に危険な業態だということもある。仮に事故になったら大抵の漁師さんは助からないことが多い。船底一枚下は地獄という言葉があるが、あれは大げさな話ではなく、それくらい海での操業というのは危険を伴うのだ。

ダイバーがその気になれば、なんでもホイホイと簡単に --実は簡単ではないけれど-- 取り放題だとも言える。いや実際には取り放題なんて無理なんだけど、潜らない人からはそう見えてしまう。そのため漁業従事者の人たちからのダイバーに対しての疑いの厳しい眼差しは和らぐことはない。取れてしまいそうな以上、信じることはできないのだ。

実際に漁業従事者の人たちが育てて幼生を放流して種を巻いたサザエなどは、ダイバーがその気になればホイホイと取れてしまう。取れてしまう以上信じることは不可能なのだ。

漁業調整規則や各都道府県条例でダイバーだけに限らないが密漁が禁じられており、罰則が厳しいものでは懲役刑なのはそのためでもある。

それで小野寺くんの脚にからまった網を外すのに、かなり手間取ってしまった。エアもガンガンに消費してしまっていて、予定よりエアの消費が早い。軍艦岩をぐるっと 1 周してエントリーポイントの戻ることを予定していたのだけれど、ちょっと難しいかもと考えた。無理そうと判断したらそのまま来たコースを引き返すように予定行動に少し修正を加える。最大水深も -25m くらいを想定したけれども -20m までに抑えることにする。

無理をしたって、いいことは何一つない。今日だめなら、また来ればいいのだ。

結局二人の残圧をチェックしながら、水深も深くならないように注意することで、軍艦岩をぐるりと一周して、元のビーチでエキジットすることができた。小野寺くんも軍艦岩の地形が気に入ってくれたようで、「大山さん、ここ、いいっすね」を連発していた。気に入ってくれてよかった。