カルカソンヌでなかなか勝てないと、戦略ガイドとか必勝法を探す旅にでかけてしまいがちです。筆者も実はその旅にでかけてしまい、今ではアプリ版最弱 CPU と互角程度には戦えるようになりました。最弱 CPU に勝ったり負けたりという感じです。
そういった戦略ガイドや必勝法ガイドのようなものを読むと、親切なテキストにはよく警告が書かれています。たとえばカルカソンヌの戦略ガイドとしてもっとも有名なサイト Carcassonne Strategy Guide — Meeple Mountain にも “A Word of Warning (警告の言葉)” なんてものが書かれています。
“勝つために真剣にプレイし始めると、かつて知っていた穏やかでリラックスできるゲームに戻るのは困難です。あなたはたしかにこの警告を受けましたよ” と書かれています。
勝つための真剣なプレイというのはどういうものかというと、囲碁や将棋の対局のようなプレイになるということです。言葉だけだとわかりにくいので日本選手権決勝の動画を貼り付けます。なお日本選手権優勝者が日本代表チームの一員として World Championship、つまり世界一の座をかけて世界大会に出場することになります。
このような “対局型” プレイスタイルを身に着けてしまうと、アプリ版を買うのはちょっと待った!!でも触れたのですが、自転車と一緒で、なかったことにすることができなくなります。
これは勝利にこだわるようになるだとか、プレイスタイルにこだわるようになるだとかそういう話ではありません。
対戦相手の打った対戦相手にとってまずい手とか、もう地形が完成するためのタイルが山に残ってないのに対戦相手がそのタイルがある前提の手を打ったりとか、対戦相手が何気なしに置いたタイルが自分にとって無茶苦茶有利に働くのだとか、そういったものが見えるようになってしまいます。そういった対局型プレイスタイルを捨てようとしても、勝敗は別ととして、意図せずにゲームの数手先はある程度見えてしまうのです。見るのではなくて見えてしまうというところがポイントです。
それを見なかったふりをして無視することもできます。でもそれってつまりは八百長をするってことになりますよね。あなたはそうする理由もないのに八百長ができますか?
なので戦略ガイドに警告があるのは、伝わるかどうかはともかく、非常に大事なことだと思います。
それじゃぁ、お前は俺 (または私) をそっちに引きずり込んだが、その落とし前はどうつけるのだ?と言いたくなる人が数人いるかもしれません。
謝っておきます。
私だって知らなかったのです。CPU に勝てるようにすると、否が応でもこっち側に来てしまうことになるのに気がついたのは、こっち側に来てしまったことに気がついてからなんです。
私だって (今でも) 単なるカルカソンヌビギナーに過ぎず、単純にもうちょっと対戦相手や CPU に勝てるようになりたいだけだったんです。
今ではカルカソンヌというゲームへの見方が、最初の頃と比べてがらっと変わっています。ぶっちゃけカルカソンヌは麻雀に似ています。囲碁や将棋とも似ています。クリベッジとも似ている気がします。
今私が書いたカルカソンヌ感に少しでも同意しそうになった方は、もう手遅れです。こっち側に来ています。もう諦めて私と一緒に切磋琢磨に励みましょう。もう戻れないのですから。
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