前日のショウガセの話で、中性浮力の話を出しました。
そもそも中性浮力なんて、オープンウォーターの講習でするんじゃないの?とおっしゃる人が大多数だと思います。
当然やります。実際に講習の中でやってもらって、できているなら、オープンウォーターダイバーとして認定されることが、妨げられることはありません。当然の話です。
ただ講習でできたことが、ファンダイブの様々な場面で安定してできるかというと、それはまったく別の話だということになります。
その当たり前のことに気がついてない人は、雑誌でもネットでも非常にたくさん見かけます。最近では youtube も加えてもいいかもしれません。
中性浮力1つとっても、いつでもどんなときでも、安定してできないといけない。ですがそれは現実として、やはり一朝一夕には身につかない、ということになります。
例え話として、初めて野球のバットを握った人が、人にバッティングを教わったとします。3 日後にイチローになれるでしょうか?大谷翔平になれるでしょうか?なれないですよね?ダイビングでも同じことが言えます。
ですからわたしたちはツアーや継続コースに力をいれてるわけですが、そいういったダイビングを安全に行うためのスキルや考え方を身につけるには時間がかかるという事実を無視して、机上の空論を展開されている人が、やたらと目に付きます。
それだけでなく、まだ熟練の域に達していない多くの人を、誰もが通る道であるはずの成長過程にあることを無視して、未熟なダイバーとして非難すらしています。
それって人を育てますか?ダイビングを嫌いにしませんか?海を嫌いにしませんか?いずれできるようになるのは、はっきりしているのに、それを阻害していませんか?
ダイバーをサポートして、寄り添い続ける仕事をしている人間、していた人間としては、ときどきそのように叫びたくなるのです。
どうか思い出してください。あなたは最初から今の姿ではなかったはずです。そして今も昔も、誰もがそうなのです。