バーr……blog のようなもの 2025 年 06 月

06 月 06 日 ( 金 )

ダイビング・バックヤード夜話 Dive #1 : ショウガセを想う

注意: 以下の文書は前提となる条件がほぼほぼ私見であり、確証のあることが前提とはなっていません。ですから前提が間違っている可能性があります。ですが、わたしがいいたいこと、つまり主旨は自体は間違っていないと確信しています。ショウガセの状態よりもそちらの話を聞いてください。ダイビングをする上で、とても大切なことについて、最後に述べています。

昔のオオカワリイソギンチャクの群生。travel.jp より引用。
マウスカーソルを画像に乗せると、元の画像の色彩が再現されます。

南部の超有名ポイントだったショウガセの、あれだけ群生していたオオカワリイソギンチャクが、今ではほとんど絶滅に近い状態らしいのです。

あれだけ一面に群生して巨大なコロニーをつくってたオオカワリイソギンチャクが、今では 10 個体程度しか見られないとか。実質的に絶滅状態になっているとのこと。

原因がいろいろ考えられて論争が繰り広げられているようですが……はっきり言いまして、中性浮力を取れないダイバーを入れすぎたのではないでしょうか。

わたし自身もダイブマスター候補生として、ガイディングのために何度もショウガセには入っています。

そのときに水深 -40m 付近で中性浮力を取れないダイブマスター候補生、アシスタント・インストラクター候補生を、そこそこの人数見てきました。

なぜ BC に吸気しないのだろう?と思ってたのですが、水深 -40m あたりの深さで、体を垂直に立てた立ち泳ぎの状態で、必死な形相でフィンキックしてるダイブマスター候補生、アシスタント・インストラクター候補生たちの姿を幾度となく目撃してきました。

BC に吸気するように指示を送るのですが、わたしの指示に対する彼ら彼女らの反応がまったく無くて、下のオオカワリイソギンチャクへのダメージのことも考える余裕すらなく、ただひたすら自身が沈まないように必死にフィンキックしていました。

マスクの中を覗き込んで、アイコンタクトを取りながら、異常あり?それともOK?とハンドサインを送っても反応がありません。

彼ら彼女らの目の前で、視界を遮るかのように、手のひらをひらひらさせても反応がありません。マスクのまんまえでアイコンタクトを取りながら、サインを送っているわたしのことが、まったく視野に入ってないって様子で、ひたすら必死の形相でフィンキックしています。

このまま放置すると、彼や彼女が水深 -40m 付近でパニック起こしかねず、危ないな、と思って BC のインフレーターホースを奪って何度吸気したことでしょう。

ダイブマスター候補生、アシスタント・インストラクター候補生ですらこんな状態なので、一般のファンダイバーはというと……思いの外、大丈夫な人の方が多かったと思います。

でもやっぱりあの水深で中性浮力を取れない人は少なくなくて、他のショップさんのインストラクターやダイブマスターが中性浮力が取れないゲストを賢明にサポートしています。

なので、このポイント大丈夫なのか?とは当時から思っていました。ですから、オオカワリイソギンチャクが、ほぼ絶滅状態と聞いてやっぱりなぁ、と思っていました。

中性浮力のとり方は -5m だろうと、-18m だろうと、-43m だろうと、-55m だろうと、やることは一緒です。適正ウェイトで潜り、BC に吸気して、呼吸のトリミングで中性浮力を保つ。水深がどれだけ変わっても、これはまったく変わりません。

なので、落ち着いてやってください。落ち着いてやれば、絶対に普通にできますから。落ち着いて、焦らずに、普段通りのことをやる、それだけで問題は解決します。