「おーい、おねーさんたち」
「はーい」
「3 時半からよぉ、エビ網入れっからよぉ。それまでに上がってなぁ」
「はーい。2 時には上がりまーす」
「いまのは何ですか?」
えっとですね、このあたりは今の季節になると、3 時半ごろから海老漁の網を入れるんですよ。皆さんの食卓によく並んでる、あの海老です。
海老は夜行性なので、夕方に網を入れるんです。
だからその時間以降は、一部のビーチを除いて、エントリーはしないって漁協のみなさんとの取り決めなんです。
なのでナイトダイブは、サービス前のビーチだけになります。
「それもお仕事なんですか?」
もちろんです。現地でいろいろ物を買ったり、サービスを利用して現地に貢献するだけじゃなくて、漁をしているみなさんと、うまくやっていくのは私たちの務めでもあるんです。
お父さ、いえ、オーナーが、まだわたしくらいの年齢だったころは、なんでもダイバーと言うと、漁師さんたちが苦労して育てて放流した貝や海老の稚魚、稚魚って言い方でいいのかな?大きくなったその子たちを捕っていくってイメージがあったらしくて。
漁師さんの収入って、海っていうこともあって、やっぱり不安定になりやすいので、やっぱりナーバスになるとかで、漁師さんたちの信頼をきちんと勝ち取って、ずっと仲良くしないといけないって、いつも父……オーナーに言われています。
漁師さんたちに迷惑をかけないように、漁師さんたちとも、いつも、ずっと仲のいい関係が続くように務めなさいって。だれもが、いつまでもこの海に潜れるように、みなさんも協力してくださいね。
父、いえ、オーナーもお正月になったら、お土産を持って、いつもお世話になってる漁協さんや現地サービスさんに、毎年挨拶に行ってたりしてるんですよ。
え?あ、そ、そうなんです。実はオーナーはわたしの父なんです。
いつも、海と店ではオーナーと呼べ、って叱られてます。えへへへ。
あ、師匠でも可と言われています (笑)
インストラクターちゃんシリーズは、あくまで架空のネタです。登場人物も全て架空の人物です。実在する潜水指導団体、ダイビングショップ、ダイビングサービス、ショップオーナー、インストラクター、ダイブマスター、アシスタントインストラクター、ダイバーとは一切関係がありません。ご注意ください。