バーr……blog のようなもの 2025 年 02 月

02 月 06 日 ( 木 )

買おうかと思っている本

主治医の仕事を私個人の知識欲という欲望のために増やすわけにはいかないので (今は無駄に増やしているのでかなり反省している)、神経炎症仮説の一般向け解説書のエドワード・ブルモア著 “「うつ」は炎症で起きる” を購入しようかと思っている。思っている、と書いたようにまだ買ってない。だって高いし、自由に使えるお金もあんまりないし。

だがレビューを読んでいて、モノアミン仮説は茶番とか暴論を吐いているやつがいたので一言書いておきたいと思ってこの稿を書き始めた。とはいえ Amazon のレビュー欄で議論するわけにもいかないし、放置していると気分がスッキリしないのでここに書くことにした。ここだと無責任に書きっぱなしにできるし、知見が深まって直したくなったら自由に直せるし。

そのレビューを見ると、なんか全然わかってないのだなぁ、という感想しか正直湧いてこない。現在主要なうつ病に関係する仮説だけでも

とたくさんあるけれど、いろんな書籍、論文等を読み込んでいくと、ありとあらゆる仮説が実は全て関連していて、どれかが正しくてどれかは間違ってるという馬鹿げた結論には到達できない。どれもほぼ間違いなく正しいとしか言えないし、普通に考えて相互に関連している。

勉強すればするほど、結局うつ病も外科領域や内科領域、その他の領域等の他の疾患同様に、ホメオスタシスのバランスが崩れてしまっている状態だ、としか言えなくなってしまう。ホメオスタシスのバランスが狂ってる臓器が、精神科領域の病気の場合は脳ってだけに過ぎない。

それぞれの仮説に、いろんな神経伝達物質やタンパク質、ホルモン物質、細胞、DNA を構成するペプチド等いろいろ出てくるけれども、どれもが活性化しすぎても不活化しすぎても、結局個体としての人は病的状態になってしまう。適切な範囲で収まらないと病的状態になる。我々が普段目にする血液検査のいろんな値と同じだとしか言えない。

問題なのは、精神科領域の疾患の場合、各仮説ででてくる物質の適切な活性化状態がわからないってところにあるのだと、勉強途上の一患者としては結論付けざるを得ない。そもそも適正な活性化、不活化というのは個人によっても異なるだろうし。

最近自分が話題にすることが多い BDNF や Nrf2 だって活性化すればするほど良いというわけでないし (ちゃんとそれらを抑制する回路も人の中に存在する)、神経炎症仮説のメインアクターである炎症性サイトカインや活性酸素だって存在しないと人は死ぬ。炎症反応がないと免疫は活性化しないから感染症で死ぬし、活性酸素が働かないとそもそも細胞分裂やそれ以前の DNA の複製自体が行われない。それらが働かないと人は死ぬ。

やはりうつ病に限らず統合失調症、発達障害、双極性障害、その他の精神科領域の疾患についての実像に迫ろうとすると、ありとあらゆる仮説で取り囲んで、包囲網を狭めていって病態の実像に迫るしか今の所ない。

仮に茶番とすべき仮説があるなら、それは素人によるお気持ちでこうあって欲しいと願うだけの説であって、医学的エビデンスの欠片もない仮説である、とは言っておきたい。

医学的なエビデンスがあって、しかも定着している仮説を、データも研究も当然エビデンスも一切ないのに根拠なく否定する態度は自分自身の病気を悪化させますよ?と忠告するしかない。

2025/02/07 追記

件のレビューを読み返してみた。ん〜、このレビューを書いたやつって陰謀論とか好きそう、と思った。非現実的な陰謀論とか唱えてる連中って、こういう文章の組み立て方をする。なのでけっこうどうでもよくなった。