Carcassonne 関連メモ - 用語の変遷と混乱?

カルカソンヌの用語の同義語や変遷

ミープル

下のこいつを、皆さんは何と呼んでいますか?

そう。ミープルと呼んでいる人が多いと思います。私もミープルと呼んでいます。しかしこいつを単に駒と呼ぶ人もいますし、それはまったく間違っていません。

中にはフォロワーと呼ぶ人もいます。フォロワー?なんじゃそれ?と思う人もいるかもしれません。カルカソンヌの初版の頃のマニュアルを紐解いてみると (下図)、こいつの名前はフォロワーだったのです。そのため初版の頃からカルカソンヌをプレイしている多くの人たちは、今でもこの駒のことをフォロワーと呼ぶ人が少なくないようです。

この駒がフォロワーからミープルと記載されるようになるまでのエピソードもオンラインで見つけることができます。

なおメビウスゲームズ版公式日本語マニュアルでは、初期は下図のように単にコマと記載され、置いた地形により盗賊になったり、騎士になったり、修行僧になったり、農夫になったりとコロコロ名前が変わるのですが、上図の初版のマニュアルにもそのように記載されてるので、そのまま盗賊、騎士、修行僧、農夫と記載されるようになったのだろうと推察します。

上の図を見て気がついた人がいるかもしれません。コマの説明に “配下” と書かれています。これはどうやら “follower” を “配下” と訳したようです。

カルカソンヌ拡張のルールを個人的に和訳しているときに Google 翻訳などをつかっておおよその訳のあたりをつけてみたりしているのですが、結構頻繁に “手下” や “部下” といった言葉がでてきます。ときには “狂信者” なんて言葉も。これら全部 “follower” の訳だったりします。Google 翻訳をそのまま真に受けると意味が通らなくなるのがよくわかります。

なお現在のメビウスゲームズ公式日本語版のルール、つまりカルカソンヌ 21 のルールには、盗賊、騎士、修行僧、農夫といった言葉はもはや出てきません。部下も手下も出てきません。全てミープルに統一されていて、初めてカルカソンヌをプレイする人が混乱しないように訳に工夫がされています。ドイツ語版と英語版の第 3 版 (カルカソンヌ 21 と同一の現行最新版) のマニュアルにそれらの言葉が残っているのとは対象的です。

ドイツ語版、英語版では、theef、knight、monk、farmer という言葉を、わかりやすさを第一優先にするためとはいえ、バッサリと消してしまうことは心情的にできなかったのかもしませんし、あるいは、人にとってすでにあるものを消してしまうような行為自体が難しいことなのかもしれません。

そういった意味でも、カルカソンヌのルールを短時間で理解したいなら、メビウスゲームズさんがリリースされているカルカソンヌ 21 に付属する公式日本語ルールを読むことをお勧めします。おそらく世界で最も整理されて理解しやすい説明書ではないでしょうか。

修道院と回廊について

初版の説明書には、修道院 (Monastery) という文字はありませんでした。その代わりに同じ絵柄のタイルの説明には、回廊 (Cloisters) と書かれていました。もちろんタイルのデザインは今のものよりは地味ではあるものの、初版では絵として同じものに対して回廊と書かれています。

The Book of Carcassonne: Strategy, Tips and Tactics という本の中でも、少しだけですが、回廊から修道院への改名に関して触れられています。本書内では初版のマニュアルの校正漏れ、すなわち誤記ではないか、という説が唱えられています。仮にそうであっても、人は定着してしまっている呼称の変更はやはりなかなか受け入れがたいもののようです。

草原なのか農地なのか畑なのか単にフィールドなのか

カルカソンヌのゲームに関する文献を読んでいると日本語マニュアルでは “草原” とされているものに対して、海外ではいろんな呼称が当てはめられていることに気が付きます。

もっとも目にするのはマニュアルに記載のある “フィールド (field)” という呼称でしょう。メビウスゲームズさんはカルカソンヌを日本語に訳する際、“field” という言葉に “草原” という訳語を割り当てました。英和辞典を引いても “野原” という訳語も出てくるので、タイルのデザインと相まってぴったりの名称です。

で、英文の文献です。フィールドとまんま書いてるものもあるのですが、割と目にするのが “畑” とか “田畑” といった言葉です。一瞬え?っとなるのですが、英和辞典を引くと field には “田畑” という意味もあるようです。

それに field に置かれたミープルは名前が farmer に変わります。farmer がいる field は普通に考えて “畑” でしょうし、欧米の “畑” というと広大な土地に広がるまさに field です。日本だと北海道の広大な畑を想像すればいいかもしれません。

まとめ

これまで見てきたようにカルカソンヌはゲーム自体に歴史があることもあり (来年で初版のリリースから四半世紀が経とうとしています)、その間公式のマニュアルにある用語が変遷していることもあり、いろんな人が同じモノに対していろんな言葉で呼んでいます。

カルカソンヌのコミュニティで他人と接する場合、日本人だけでなく海外の人たちに接することも有りますし、初版の頃からプレイしている人や独特な個人的な用語で話す人たちと接する場合もあります。なのでおのずと文脈から言葉の意味を読み取らないといけない場面もでてくるかもしれません。

修道院を頑なに回廊と呼び、ミープルと呼ばずにフォロワーと呼ぶことを頑なに守るだけでなく、それを他人にも強要しようとする人など、まぁ人の集団にはつきものの頑迷な人と付き合わないといけないこともあるでしょう。

そういうときは文意をきちんと受け取って、自身は柔軟に言葉をあやつり、そういった人たちとも仲良くやっていくことをお勧めしてこの稿を終わりたいと思います。

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